学科長の挨拶
本学科は、1990年の富山県立大学開学から1992年の生物工学研究センター(現、生物・医薬品工学研究センター)、1996年の大学院生物工学専攻の設置を経て、2006年に工学部4番目の学科として設置されました。2017年に製薬分野の人材育成のため、本学科から医薬品工学科が分離・設置されました。本学科と医薬品工学科がともに大学院生物・医薬品工学専攻を構成しており、教育・研究をはじめとした両学科の関係は密接です。
バイオテクノロジーは本学科をあらわす重要なキーワードです。バイオテクノロジーはバイオロジー(生物学)とテクノロジー(技術)を組み合わせた造語であり、生命の仕組みを「化学」と「生物学」の力でテクノロジーにする学問分野です。パンやお酒などの発酵食品の生産や、品種改良などの研究・技術開発を原点としていますが、DNAやたんぱく質などの生体分子に関する研究や情報科学の発展に伴い、現代のバイオテクノロジーはゲノム編集、酵素やくすりなどの有用物質の生産、細胞培養、エネルギー生産などを通して、医療、創薬、化学工業、食品、環境など多岐にわたる産業に応用されています。
本学科は、バイオテクノロジーのプロフェッショナル育成を目標としています。有機化学、生化学、分子生物学を基盤学問として、植物科学、食品科学、情報科学を加えたバイオテクノロジーに関する幅広い知識や技術が修得できるよう、カリキュラムを組んでいます。学生は3年生後期から、7つある講座のうち最も興味のある講座に配属され、1年半をかけて卒業研究を行います。本学科は小講座制を採用しており、一つの講座を3名の教員で運営しています。教員と学生の距離は非常に近く、研究を重視した教育プログラム、少人数教育、アクティブ・ラーニングなどの丁寧な教育を通して、学生は専門性を高めます。また、最新かつ未開拓領域の研究を高いレベルで行えるよう、併設する生物工学研究センターには最先端の機器や設備が整備されています。
本学科の卒業生の就職先は、医薬品製造企業、化学関連企業、食品製造企業、環境関連企業、香料・化粧品関連企業など、多岐にわたります。大学院への進学率は50%を超えており、より高度な技術と知識を習得した大学院修了生は、上場企業の研究開発職や公的機関の研究職、また大学教員などの職に就きます。
やりたいことが決まっている人はもちろん、「広くバイオテクノロジーについて学んでから、一番興味のある分野に進みたい」という人も、きっとやりたいことが見つかる学科です。
学科長 教授 占部 大介
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